ウ'b,1[#「b,1」は下付き小文字](qb[#「b」は下付き小文字]−ob[#「b」は下付き小文字])d(qb[#「b」は下付き小文字]−ob[#「b」は下付き小文字])=0
[#ここで字下げ終わり]
ところで一方において消費量の函数としての有効利用の函数の導函数は、稀少性に他ならないし、他方において方程式[1]から生ずる方程式
[#ここから4字下げ]
pa[#「a」は下付き小文字]dda[#「a」は下付き小文字]+d(qb[#「b」は下付き小文字]−ob[#「b」は下付き小文字])=0
[#ここで字下げ終わり]
により、二商品のそれぞれの消費量の微分と二商品のそれぞれの他方で表わしたそれぞれの価格との積の代数和は零である。
故に
[#ここから4字下げ]
φa,1[#「a,1」は下付き小文字](da[#「a」は下付き小文字])=pa[#「a」は下付き小文字]φb,1[#「b,1」は下付き小文字](qb[#「b」は下付き小文字]−da[#「a」は下付き小文字]pa[#「a」は下付き小文字])
[#ここで字下げ終わり]
私は微分法に通暁しない読者のためにこれを説明した。しかしその他の読者は次のようにして直ちに理解せられるであろう。次の二式の一方または他方を da[#「a」は下付き小文字] について微分せよ。
[#ここから4字下げ]
Φa,1[#「a,1」は下付き小文字](da[#「a」は下付き小文字])+Φb,1[#「b,1」は下付き小文字](qb[#「b」は下付き小文字]−da[#「a」は下付き小文字]pa[#「a」は下付き小文字])
[#式(fig45210_043.png)入る]
[#ここで字下げ終わり]
そしてその導函数を0と置けば、
[#ここから4字下げ]
φa,1[#「a,1」は下付き小文字](da[#「a」は下付き小文字])−pa[#「a」は下付き小文字]φb,1[#「b,1」は下付き小文字](qb[#「b」は下付き小文字]−da[#「a」は下付き小文字]pa[#「a」は下付き小文字])=0
[#ここで字下げ終わり]
すなわち
[#ここから4字下げ]
φa,1[#「a,1」は下付き小文字](da[#「a」は下付き小文字])=pa[#「a」は下付き小文字]φb,1[#「b,1」は下付き小文字](qb[#「b」は下付き小文字]−da[#「a」は下付き小文字]pa[#「a」は下付き小文字])
[#ここで字下げ終わり]
となる。そしてこの方程式の根は極大を示し、極小を示さない。けだし、函数 Φ'a,1[#「a,1」は下付き小文字](q) すなわち φa,1[#「a,1」は下付き小文字](q), Φ'b,1[#「b,1」は下付き小文字](q) すなわち φb,1[#「b,1」は下付き小文字](q) は本質的に減少函数であるから、第二次導函数
[#ここから4字下げ]
φ'a,1[#「a,1」は下付き小文字](da[#「a」は下付き小文字])+p2[#「2」は上付き小文字]a[#「a」は下付き小文字]φ'b,1[#「b,1」は下付き小文字](qb[#「b」は下付き小文字]−da[#「a」は下付き小文字]pa[#「a」は下付き小文字])
[#ここで字下げ終わり]
は必然的に負であるからである。
八三 右に与えた私の証明は、欲望曲線の連続を前提とする。だが我々は、欲望曲線が不連続である場合をも研究せねばならぬ。厳密にいえば、これらの場合には、(一)連続曲線をもつ商品と不連続曲線をもつ商品との交換、(二)不連続曲線をもつ商品と連続曲線をもつ商品との交換、(三)不連続曲線をもつ商品と、同じく不連続曲線をもつ商品との交換の三箇の場合があり得よう。けれども、後に明らかにするように、我々はすべての商品の価値をその価値と関係せしめそしてすべての商品を購い得る商品、従って連続的な欲望曲線をもち得るしもたねばならぬ所の一つの商品を選ぶのであるから、第一の場合だけを研究すればよい。
常例により、(B)の所有者(1)に対する(B)の利用曲線を βr,1[#「r,1」は下付き小文字]βq,1[#「q,1」は下付き小文字](第三図)とし、この人が所有する(B)の量を qb[#「b」は下付き小文字] とする。そして点 a 及び a''' を通る階段形の曲線を、この交換者に対する(A)の利用曲線であるとする。(A)は単位ずつによってしか買い得られないのであるから、そして pa[#「a」は下付き小文字] は(B)で表わした(A)の価格であるから、(B)は pa[#「a」は下付き小文字] に等しい量によってしか売られない。もし長さ da[#「a」は下付き小文字]d''a[#「a」は下付き小文字] 及び da[#「a」は下付き小文字]d'''a[#「a」は下付き小文字] がそれぞれ(A)の買われた最後の単位と買われない最初の単位とを表わし、また長さ yy'' 及び yy''' がそれぞれ(B)の売られた最後の量と売られない最初の量とを表わすものとすれば、交換者が最大満足を得るときには、次の二つの不等式が成り立つ。
[#ここから4字下げ]
面積 yy''β''β<da[#「a」は下付き小文字]a
面積 yy'''β'''β>d'''a[#「a」は下付き小文字]a'''
[#ここで字下げ終わり]
今 m'' と m''' とで、それぞれ yβ と y''β'' との中間の長さ及び yβ と y'''β''' との中間の長さを表わすこととすれば、これらは、それぞれ(B)の売られた最後の量の利用の平均強度及び売られない最初の量の利用の平均強度を示す。これらに
[#ここから4字下げ]
yy''=yy'''=pa[#「a」は下付き小文字]
[#ここで字下げ終わり]
を乗ずれば、それぞれ yy''β''β 及び yy'''β'''β に等しい二つの面積が得られる。そこで相合して(A)の需要すなわち da[#「a」は下付き小文字] を決定する二つの不等式を次の形に立てることが出来る。
[#ここから4字下げ]
da[#「a」は下付き小文字]a=pa[#「a」は下付き小文字]m''+ε''
d'''a[#「a」は下付き小文字]a'''=pa[#「a」は下付き小文字]m'''−ε'''
[#ここで字下げ終わり]
これら二つの方程式から、容易に次の結果を導き出すことが出来る。
[#ここから4字下げ]
[#式(fig45210_044.png)入る]
[#ここで字下げ終わり]
ところで、m''+m''' は 2yβ に極めて近い量であり、かつ[#式(fig45210_045.png)入る]ははなはだ小さい量である。故に容易に
[#ここから4字下げ]
[#式(fig45210_046.png)入る]
[#ここで字下げ終わり]
が得られる。
よって、連続的欲望曲線をもつ商品と不連続的欲望曲線をもつ商品との交換の場合において[#「連続的欲望曲線をもつ商品と不連続的欲望曲線をもつ商品との交換の場合において」に傍点]、最大満足が現われるときには[#「最大満足が現われるときには」に傍点]、買われた商品の充された最後の欲望の強度と充されない最初の欲望の強度との平均の[#「買われた商品の充された最後の欲望の強度と充されない最初の欲望の強度との平均の」に傍点]、売られたる商品の充された最後の欲望の強度に対する比は[#「売られたる商品の充された最後の欲望の強度に対する比は」に傍点]、価格にほぼ等しい[#「価格にほぼ等しい」に傍点]。
私はほぼ等しいとあえていう。なぜなら(B)で表わした(A)の価格と、(B)の充された最後の欲望の強度との積 pa[#「a」は下付き小文字]×yβ は、(A)の充された最後の欲望の強さと充されない最初の欲望の強さの平均に等しくないことがあり得るのみでなく、また、これら二つの量各々より大であることも、小であることもあり得るからである。実際、必然的に
[#ここから4字下げ]
面積 yy''β''β<pa[#「a」は下付き小文字]×yβ
[#ここで字下げ終わり]
であり、
[#ここから4字下げ]
da[#「a」は下付き小文字]a> 面積 yy''β''β
[#ここで字下げ終わり]
であるけれども、必然的には
[#ここから4字下げ]
da[#「a」は下付き小文字]a>pa[#「a」は下付き小文字]×yβ
[#ここで字下げ終わり]
ではない。そしてもし反対に
[#ここから4字下げ]
da[#「a」は下付き小文字]a<pa[#「a」は下付き小文字]×yβ
[#ここで字下げ終わり]
であるとすると、da[#「a」は下付き小文字]a 及びこの da[#「a」は下付き小文字]a より小さい d'''a[#「a」は下付き小文字]a''' は、いずれも pa[#「a」は下付き小文字]×yβ より小である。同様に、必然的に、
[#ここから4字下げ]
面積 yy'''β'''β>pa[#「a」は下付き小文字]×yβ
[#ここで字下げ終わり]
であり、
[#ここから4字下げ]
d'''a[#「a」は下付き小文字]a'''< 面積 yy'''β'''β
[#ここで字下げ終わり]
である。しかし必然的には、
[#ここから4字下げ]
d'''a[#「a」は下付き小文字]a'''<pa[#「a」は下付き小文字]×yβ
[#ここで字下げ終わり]
ではない。そしてもし
[#ここから4字下げ]
d'''a[#「a」は下付き小文字]a'''>pa[#「a」は下付き小文字]×yβ
[#ここで字下げ終わり]
であるとすると、d'''a[#「a」は下付き小文字]a''' 及びこの d'''a[#「a」は下付き小文字]a''' より大なる da[#「a」は下付き小文字]a は、いずれも pa[#「a」は下付き小文字]×yβ より大である。
八四 再び二つの不等式
[#ここから4字下げ]
面積 yy''β''β<da[#「a」は下付き小文字]a
面積 yy'''β'''β>d'''a[#「a」は下付き小文字]a'''
[#ここで字下げ終わり]
を見よう。pa[#「a」は下付き小文字] が減少すると、これら二つの不等式の最初の項は共に減少する。これによって、第一式の不等関係には変化は生じない。しかし第二式の不等関係が反対となり、da[#「a」は下付き小文字] が少くとも一単位だけ増加する時が来る。pa[#「a」は下付き小文字] が増加すると、二つの方程式の初項は増加する。これによって、第二式の不等関係は変化しない。しかし第一式の不等関係が反対となり、da[#「a」は下付き小文字] が少くとも一単位だけ減少する時が来る。故に(A)の需要曲線は逓減しかつ不連続である。
解析的には、(B)で表わした(A)の任意の価格 pa[#「a」は下付き小文字] が叫ばれるとき、(B)の所有者は、欲望強度 r1[#「1」は下付き小文字], r2[#「2」は下付き小文字] ……を充す所の(A)の一、二単位を需要し、この同じ r1[#「1」は下付き小文字], r2[#「2」は下付き小文字] ……量で計量せられた(A)の有効利用を得れば、保留せられる(B)の量は、qb[#「b」は下付き小文字]−pa[#「a」は下付き小文字], qb[#「b」は下付き小文字]−2pa[#「a」は下付き小文字] ……となり、定積分
[#ここから4字下げ]
[#式(fig45210_047.png)入る]
[#ここで字下げ終わり]
で計られる(B)の有効利用が捨てられる。そして最大満足を与える需要 da[#「a」は下付き小文字] は次の二つの不等式によって決定せられる。
[#ここから4字下げ]
[#式(fig45210_048.png)入る]
[#ここで字下げ終わり]
このようにして、pa[#「a」は下付き小文字] のすべての値に対応する da[#「a」は下付き小文字] が数学的に決定せられるであろうし、(B)をもってする(A)の需要――価格の函数としての――の逓減的な不連続曲線が構成せられるであろう。
[#改ページ]
第九章 需要曲線論。二商品間における交換の問題の数学的解法の一般的方式
前へ
次へ
全58ページ中22ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
手塚 寿郎 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング