嚔コげ終わり]
によって与えられた Da[#「a」は下付き小文字], Oa[#「a」は下付き小文字] の値を代入すれば、
[#ここから4字下げ]
Ob[#「b」は下付き小文字]=αDb[#「b」は下付き小文字]
[#ここで字下げ終わり]
となる。
よって、二つの商品を与えられたとすれば[#「二つの商品を与えられたとすれば」に傍点]、一つの商品の有効需要のその有効供給に対する比は[#「一つの商品の有効需要のその有効供給に対する比は」に傍点]、他方の商品の有効供給の有効需要に対する比に等しい[#「他方の商品の有効供給の有効需要に対する比に等しい」に傍点]。
この定理は次のように証明せられることも出来る。
[#ここから4字下げ]
Da[#「a」は下付き小文字]=Ob[#「b」は下付き小文字]pb[#「b」は下付き小文字]
Db[#「b」は下付き小文字]=Oa[#「a」は下付き小文字]pa[#「a」は下付き小文字]
[#ここで字下げ終わり]
[#ここから3字下げ]
Da[#「a」は下付き小文字]Db[#「b」は下付き小文字]=Oa[#「a」は下付き小文字]Ob[#「b」は下付き小文字]
[#ここで字下げ終わり]
または、
[#ここから4字下げ]
Oa[#「a」は下付き小文字]=Db[#「b」は下付き小文字]pb[#「b」は下付き小文字]
Ob[#「b」は下付き小文字]=Da[#「a」は下付き小文字]pa[#「a」は下付き小文字]
Oa[#「a」は下付き小文字]Ob[#「b」は下付き小文字]=Da[#「a」は下付き小文字]Db[#「b」は下付き小文字]
[#ここで字下げ終わり]
結局、いずれの考え方によるも
[#ここから4字下げ]
[#式(fig45210_012.png)入る]
[#ここで字下げ終わり]
となる。
故に(A)の有効需要と供給とが等しければ、(B)の有効供給と需要ともまた等しいことが解る。もし(A)の有効需要がその有効供給より大であれば、(B)の有効供給は同じ比例で有効需要より大であることが解る。最後にもし(A)の有効供給が有効需要より大であれば、(B)の有効需要は同じ比例でその有効供給より大であることが解る。これが右の定理の意味である。
四七 さて α=1, Da[#「a」は下付き小文字]=Oa[#「a」は下付き小文字], Ob[#「b」は下付き小文字]=Db[#「b」は下付き小文字] であると仮定すれば、二商品(A)、(B)がそれぞれ[#式(fig45210_011.png)入る]の価格で需要せられる量、供給せられる量は相等しい。各々の買手及び売手は売手または買手にちょうどその相手方を見出す。従って市場の均衡が現われる。均衡価格[#式(fig45210_007.png)入る]及び μ において、(A)の量 Da[#「a」は下付き小文字]=Oa[#「a」は下付き小文字] は(B)の量 Ob[#「b」は下付き小文字]=Db[#「b」は下付き小文字] に交換せられる。市場は終結し、二商品の所持者は相去るのである。
四八 しかし[#式(fig45210_013.png)入る]であるとする。しからばこれら二商品の各々の供給と需要との均等はいかにして生ずるか。一見すると、先に例示した取引所における公債についてなした推論を、そのままここで繰り返し得るように思われる。けれどもそれは大なる誤である。取引所では公債の買手と売手とがあるが、この証券の価値は、それらの特定の収入の金額と資本に対する収入率とに依存する。後に述べるであろうように、もちろん公債の価格の騰貴は需要を減じ、供給を増加せざるを得ないし、その下落は需要を増加し、供給を減ぜざるを得ない。しかし今ここでは、交換者が交換する物は直接に利用を存する商品と仮定せられている(A)と(B)とであり、(A)と(B)の交換者のみが市場で相対しているのである。そしてこの事情がすべてを修正する。
もちろん、Da[#「a」は下付き小文字] が Oa[#「a」は下付き小文字] より大であれば、pa[#「a」は下付き小文字] は騰貴せねばならぬ。(すなわち pb[#「b」は下付き小文字] は下落せねばならぬ。)また反対にもし、Db[#「b」は下付き小文字] が Ob[#「b」は下付き小文字] より大であるとすれば、pb[#「b」は下付き小文字] は高騰せねばならぬ。(pa[#「a」は下付き小文字] は下落せねばならぬ。)需要についても同様の推論をなし得る。すなわち価格が騰貴すれば、需要は増加することが出来ない、減少せざるを得ない。実際例えば一〇ヘクトリットルの燕麦に対し、五ヘクトリットルの小麦を供給する交換者、すなわち小麦で表わした価格 0.50 で一〇ヘクトリットルの燕麦を需要する交換者が、一二ヘクトリットルの小麦の所有者であるとする。小麦で表わした燕麦の価格 0.50 では、この交換者は二四ヘクトリットルの燕麦を買い得る。しかし彼は、小麦に対する欲望の事情で、一〇ヘクトリットルしか買わないとする。価格が 0.60 だとすると、二〇ヘクトリットルの燕麦しか買い得ない。この場合には、彼は、小麦に対する欲望の事情で、たかだか一〇ヘクトリットル――彼が更に富んだときにはこの量に達し得ようが――またはそれ以下にこれを限るであろうと、考えられねばならぬ。かくの如く、pa[#「a」は下付き小文字] の高騰すなわち pb[#「b」は下付き小文字] の下落は、Da[#「a」は下付き小文字] を減じ、Db[#「b」は下付き小文字] を増加せしめることしか出来ない。反対に pb[#「b」は下付き小文字] の騰貴すなわち pa[#「a」は下付き小文字] の下落は、Db[#「b」は下付き小文字] を減じ、Da[#「a」は下付き小文字] を増加することしか出来ない。しかし Oa[#「a」は下付き小文字] と Ob[#「b」は下付き小文字] とはいかに変化するか。この問に答えるのは不可能である。Oa[#「a」は下付き小文字] は Db[#「b」は下付き小文字] と pb[#「b」は下付き小文字] との積に等しい。ところでこれら二つの因子の一方の pb[#「b」は下付き小文字] が減じまたは増大すれば、他方の因子の Db[#「b」は下付き小文字] は、このことだけで増加しまたは減少する。同様に Ob[#「b」は下付き小文字] は Da[#「a」は下付き小文字] と pa[#「a」は下付き小文字] との積に等しい。ところで pa[#「a」は下付き小文字] が増加するか減少するかに従って、Da[#「a」は下付き小文字] は、このことだけで、減少しまたは増加する。従って、交換者が均衡を実現するか否かを、いかにして知るべきかが問題となる。
[#改ページ]
第六章 有効需要曲線と有効供給曲線。需要と供給との均等の成立
[#ここから8字下げ]
要目 四九 価格の増加に応じて有効需要が減少するという事実。五〇、五一、五二 価格の函数としての部分的需要の曲線または方程式。五三 需要曲線は同時に供給曲線である。五四 存在量の双曲線。五五 座標軸と存在量の双曲線との間における需要曲線の中間的位置。五六 二商品相互間の交換の問題の解。五七 需要曲線の中に底辺が互に逆数であり、高さがそれぞれの面積に反比例する矩形《くけい》を挿入することによる幾何学的解。五八 代数的解。五九 価格の関数としての供給曲線を構成することによる二つの解の結合。六〇、六一 有効需要供給の法則すなわち均衡価格成立の法則。
[#ここで字下げ終わり]
四九 ここでは、価格と有効供給との間には間接の関係しかなく、価格と有効需要との間にのみ直接の関係があると考えるのであるから、我々が研究せねばならぬのは後者である。
この研究のために、ここに小麦の所持者があるとする。この人は小麦を所有するが、燕麦を所有しない。そこで自分の消費のために、若干量の小麦を保留し、他の若干量の小麦を提供して、自家の馬を養うための燕麦と交換しようとしている。ところで彼が保留しようとする量及び提供しようとする量は、それぞれ燕麦の価格と、この価格で彼が需要しようとする燕麦の量に依存するであろう。いかに依存するか。私はそれを見ようと思う。価格零のとき(燕麦の一ヘクトリットルを得るために、小麦のゼロヘクトリットルを与えることを要するとき、すなわち燕麦が無償であるとき)、この人は欲するだけの燕麦を需要するであろう。換言すれば、自分が所有する一切の馬、否飼料が無償で得られるときに養われるべき一切の馬を飼養するに充分な量を需要するであろう。いうまでもなく彼は、これと交換に小麦を与えるのではない。次に価格が順次に[#式(fig45210_014.png)入る]だとすると(燕麦一ヘクトリットルを得るために、小麦[#式(fig45210_014.png)入る]を与えねばならぬとすると)、彼は次第にその需要を減ずるであろう。価格が 1, 2, 5, 10(燕麦一ヘクトリットルを得るために小麦 1, 2, 5, 10 を与えねばならぬとすれば)となれば、彼は更にその需要を減ずるであろう。そしてもちろんこれらと交換に彼が供給する小麦の量は、彼が需要する燕麦の量とこの燕麦の価格の積に常に等しい。更にまた価格が 100 というような高いものとなれば(一ヘクトリットルの燕麦を得るため 100 ヘクトリットルの小麦を与えることを要するとすれば)彼は少しの燕麦をも需要しないようになる。なぜならこの価格においては二頭の馬をも飼養し得ないであろうし、また飼養するを欲せぬであろうから。このときには、彼は、交換に何らの小麦をも供給しないであろうことは、いうまでもない。故に燕麦の有効需要は、価格が増加するに従って減少する。それは価格零においてのある数字に始まり、ある価格において零に終る。これに相応ずる小麦の有効供給は零から出発し、次第に増加し、最大に達し、再び零に帰る。
五〇 小麦のすべての所有者はもちろん、また一方のこれら小麦のすべての所有者のみならず、他方の燕麦のすべての所有者もまた、同一の性質とはいい得ないとしても、同様の傾向をもっている。一般に商品を所有してこれを他の商品と交換しようとして市場に現われる者は、せり上げの傾向をもっている。この傾向は可能的(virtuelle)であることもあり、有効(effective)であることもあるが、精密に決定せられ得べきものである。
(B)の qb[#「b」は下付き小文字] 量の所有者(1)が――以下代数記号で呼ぶ――市場に現われ、そのうちのある量 ob[#「b」は下付き小文字] を供給して、自分が需要する(A)の da[#「a」は下付き小文字] 量と交換するとすれば、方程式
[#ここから4字下げ]
da[#「a」は下付き小文字]va[#「a」は下付き小文字]=ob[#「b」は下付き小文字]vb[#「b」は下付き小文字]
[#ここで字下げ終わり]
により、彼は(A)の da[#「a」は下付き小文字] 量と(B)の[#式(fig45210_015.png)入る]を所持して帰っていくであろう。そしていかなる場合にも、量 qb[#「b」は下付き小文字], [#式(fig45210_016.png)入る] すなわち pa[#「a」は下付き小文字], da[#「a」は下付き小文字] 及び y の間には、常に次の関係がある。
[#ここから4字下げ]
qb[#「b」は下付き小文字]=y+da[#「a」は下付き小文字]pa[#「a」は下付き小文字]
[#ここで字下げ終わり]
qb[#「b」は下付き小文字] の所有者が qb[#「b」は下付き小文字] を知っているのは、いうまでもない。しかし市場に到着してみなければ、[#式(fig45210_016.png)入る]すなわち pa[#「a」は下付き小文字] がいかなるものであるかを知ることが出来ない。けれどもそこに到着すれば、
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