決定する問題」に傍点]――は解けるのである[#「は解けるのである」に傍点]。
 八二 以上の解法の方式を、既に用いた微分法の記号によって表わすことは、無意義ではあるまい。
 (B)で表わした(A)の価格が pa[#「a」は下付き小文字] であるとき、需要せられるべき(A)の量を da[#「a」は下付き小文字] とし、供給せられるべき(B)の量を ob[#「b」は下付き小文字]=da[#「a」は下付き小文字]pa[#「a」は下付き小文字] であるとし、従って保留せられるべき(B)の量は qb[#「b」は下付き小文字]−ob[#「b」は下付き小文字] であるとする。そして qb[#「b」は下付き小文字] は、所有者(1)が所有する(B)の量であるから、
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[1] da[#「a」は下付き小文字]pa[#「a」は下付き小文字]+(qb[#「b」は下付き小文字]−ob[#「b」は下付き小文字])=qb[#「b」は下付き小文字]
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 また u=Φa,1[#「a,1」は下付き小文字](q), u=Φb,1[#「b,1」は下付き小文字](q) をそれぞれ(A)及び(B)が消費量の函数としてこの人に対してもつ有効利用を表わす式であるとし、従って
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Φa,1[#「a,1」は下付き小文字](da[#「a」は下付き小文字])+Φb,1[#「b,1」は下付き小文字](qb[#「b」は下付き小文字]−ob[#「b」は下付き小文字])
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は、最大ならしめるべき有効利用の合計であるとする。函数Φの微分係数は本質的に逓減するから、我が交換者の求める最大利用は、二商品の各消費量によって生ずる利用の微分増加量の代数和が零であるときに得られる。なぜならこれらの微分増加量が互に相等しくなく、かつ互に正負相反しているとすれば、微分増加量のより強い商品をより多く需要して、微分増加量のより弱い商品をより少く需要し、または微分増加量のより弱い商品をより多く供給し、微分増加量のより強いものをより少く供給するのが利益であるからである。故に欲望の最大満足を与える条件は、次の方程式によって表わされる。
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Φ'a,1[#「a,1」は下付き小文字](da[#「a」は下付き小文字])dda[#「a」は下付き小文字]+
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