小文字],K'L'M'[#「'」は底本では下付き] の交点の右方であるかまたは左方であるかにより、曲線 K'L'M' より小であるかまたは大である。同様に曲線 B'd[#「d」は下付き小文字]B'p[#「p」は下付き小文字] は、B' 点すなわち二曲線 B'd[#「d」は下付き小文字]B'p[#「p」は下付き小文字] と NPQ とが交わる点の右方であるかまたは左方であるかにより、曲線 NPQ より小であるかまたは大である。また曲線 Ad[#「d」は下付き小文字]Ap[#「p」は下付き小文字] は、 A'' 点の右方であるかまたは左方であるかにより曲線 K'L'M' より小であるかまたは大である。同様にまた曲線 B'd[#「d」は下付き小文字]B'p[#「p」は下付き小文字] は、B'' 点の右方であるかまたは左方であるかにより、曲線 NPQ[#「NPQ」は底本では「NRQ」] より小であるかまたは大である。
 これら二つの場合にあっては、均衡点の彼方において、商品の供給はその需要を超え、価格の下落すなわち均衡点への復帰を生ずる。また均衡点の此方において、商品の需要はその供給を超え、価格の騰貴すなわち均衡点への前進が生ずる。だからこの均衡を、私共は、垂直線上にある重心の上方に懸吊《けんちょう》点を有する物体が、垂線上から離れるとき、重力によって自ら均衡点に落ち付く所の均衡に、比べることが出来る。この均衡は安定均衡[#「安定均衡」に傍点](〔e'quilibre stable〕)である。
 六七 点 A, B は同様ではない。A点の右においては曲線 Ad[#「d」は下付き小文字]Ap[#「p」は下付き小文字] は曲線 K'L'M' より大であり、左においては小である。同様にB点の右においては、曲線 B'd[#「d」は下付き小文字]B'p[#「p」は下付き小文字] は曲線 NPQ より大であり、左においてはより小である。だからこの場合には、均衡点の彼方《あちら》において、商品の需要はその供給より大であって、これは価格の騰貴を生ぜしめる。換言すれば、均衡点を離れしめる。そしてこの場合にもまた均衡点の此方《こちら》においては、商品の供給はその需要より大であり、これは価格の下落を生ぜしめる。すなわち均衡点を離れしめる。故にこの均衡は、支点が縦線上の重心より下にある物体の均衡に比すべきもので、もし重心が
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