曲線を画《えが》きまたはその方程式を作ることは困難であるというのは、根拠のない批難を私共に加えようとする者である。ある商品の需要または供給曲線の全部または一部を作って、ある場合に利益が得られるか否か、これらの曲線をを作ることが可能であるか否か、それらはここに問おうとすることではない。今はただ交換の一般的問題を研究するのであって、我々にとっては、交換曲線の純粋な抽象的な概念が得られれば充分なのであり、同時にその把握が欠くべからざるものなのである。
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第七章 二商品相互の間に行われる交換の問題の解法の吟味
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要目 六二、六三 供給曲線が唯一の極大において連続である場合に論議を局限する。六四 供給曲線は需要曲線と交わらないこともあり得る。この場合価格は成立しない。六五 供給曲線は需要曲線と三点において交わることもあり得る。この場合三つの価格があり得る。六六、六七、六八 この内二つの均衡価格は安定であり、一つの均衡価格は不安定である。六九 二つの需要曲線の内一つが存在量の双曲線と一致する場合。七〇 二つ共一致する場合。
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六二 以上述べてきた所を要約すれば、二商品(A)、(B)が与えられ、その有効需要と価格との関係が、方程式
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Da[#「a」は下付き小文字]=Fa[#「a」は下付き小文字](pa[#「a」は下付き小文字]), Db[#「b」は下付き小文字]=Fb[#「b」は下付き小文字](pb[#「b」は下付き小文字])
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によって表わされるとすると、均衡価格は方程式
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Da[#「a」は下付き小文字]va[#「a」は下付き小文字]=Db[#「b」は下付き小文字]vb[#「b」は下付き小文字]
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によって得られる。そして Da[#「a」は下付き小文字], Db[#「b」は下付き小文字] にその値を代入すれば、均衡価格は方程式
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Fa[#「a」は下付き小文字](pa[#「a」は下付き小文字])va[#「a」は下付き小文字]=Fb[#「b」は下付き小文字](pb[#「b」は下付き小文字])vb[#「b」は下付き小文字]
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によって得られる。だがしかし、pa[#「a」は下
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