つてゐる時、二人の神さまが、おれを助けて下すつたんだ。おれは、もう、死ぬまで、さけはのみません。」と、いひました。
それから源八さんは、自分の家を、工場にしました。工場で、くわんづめを作りはじめました。
源八さんの国は、栗のたくさん、できるところで、毎年たくさんの栗を、日本中におくり出します。源八さんは、その栗を、くわんづめにしたのです。
源八さんの、くわんづめの、れつてるには、五十銭ぎんくわの上に、西洋人のかほと、魚かごとが、かいてあります。
五
魚屋の藤六《とうろく》さんの村に、大きな百くわ店ができました。気のきいた、そして正直な男を、はんばいがかりに、したいといつて、たづねてゐましたが、藤六さんが、一番よいだらうといつて、そこのはんばいがかりに、たのまれました。
藤六さんは、時時町へ行つて、いろんなものを、仕入れてきます。その品物の中で、一番よく売れる物は、「源八栗《げんぱちぐり》」といふ、栗のくわんづめでした。しかし藤六さんは、そのくわんづめを、どこで、つくつてゐるのだか、ちつとも、知りませんでした。
六
もうりい博士は、そのご、間もなく、西
前へ
次へ
全16ページ中13ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
沖野 岩三郎 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング