名の書いてある宿屋の看板が目につきました。中には眼鏡をかけた男の人がいました。
マルコはかけていってたずねました。
「ちょっとおたずねしますがメキネズさんの家はどちらでしょうか。」
男の人はちょっと考えていましたが、
「メキネズさんはここにはいないよ。ここから六|哩《まいる》ほどはなれているサラヂーロというところだ。」
と答えました。
マルコは剣で胸をつかれたようにそこに打ち倒れてしまいました。すると宿屋の主人や女たちが出てきて、「どうしたのだ、どうしたというのだ、」といいながらマルコを部屋の中へ入れました。
主人は彼をなだめるようにいいました。
「さあ、何も心配することはない。ここからしばらくの時間でゆける。川のそばの大きな砂糖工場がたっているところにメキネズさんの家がある。誰でも知っているよ、安心なさい、」
しばらくするとマルコは生きかえったようにおき上りながら、
「どちらへ行くんです、どうぞ早く道を教えて下さい。私はすぐにゆきます。」
といいました。
主人は、
「お前はつかれている、休まないと行かれない。今日はここで休んで明日ゆきなさい、一日かかるのだから。」
と
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