‘Organization’ではなかった。むしろそれは、或る人(それは偉大なるハーバート・パトナム氏を指す)の影響をうけて動いているというべきである。すなわち、大いなる一人の影‘Shadow of a man’の中に動いていた。
パトナム氏の偉大なる影の中の王国の中に、数々の王国が、数十年の一つ一つの伝統をもって、各々巍然としてその偉容をととのえたのであった。それは味もあれば、香りもある機構であったであろう。
しかし、それは、戦争の中で、部署をもつことのできるところの機械的統一の精密さにおいて、欠くるところのものがあったというべきである。それは組織としての構成としては、未完成のものであった。
この一人の人格のもとに構成されている構造から、精密機械の組織ともいうべき巨大なる機構としての図書館にうつるにあたって、その目に見えない中心になったのが、アーチボルド・マックリーシュ氏であった。彼は、すでに「影を失った人」であった。新しい詩を身をもって描いた人であった。
「ハーバート・パトナムより、アーチボルド・マックリーシュに」図書館長が移った国会図書館は、まことに世界の図書館の概念が移りゆ
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