、本の交換貸借、資料の流通、綜合目録の完成等々、立法がバラバラにならないように、セクショナリズムの鉄の窓をいかに破るかの夢が課せられたのである。
全国の納本をわが館で一手に引受けて、その全国の文献のリストを完成すること、やがては分類のカードを印刷して、それを全国の図書館に安価に、できれば無償で配付することもすでに軌道に乗っている夢の道である。その他語られたヴィジョンは多かったのである。もちろんそれはアメリカではそれは現実なのである。しかし、その一つ一つが日本では夢にすぎなかったのである。かくしてその夢の種は、戦後の矛盾に満ちた瓦礫の中に下ろされたのである。
私達は発生的に、その下ろされた一粒の種であったのである。右に根をのばせば鉄板、左にのばせば焼けた石というかたちでその生態を形づくり、空間を求めている。
言語をつくってくれた、辛抱づよい人類の十万年の苦労を思い起して、鼓舞しなければ、時々途方に暮れる思いをする日がないではないが、しかし、二年足らずの年月とすれば、どうにかやっと根が下ろせたかと思うところである。アメリカの国会図書館の七十年の歴史から見れば、或いは二年目頃はこんなも
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