である。この図書館はヴィジョン(夢)の中に生まれ出でている。昭和二十二年十二月十七日、衆議院議長サロンでアメリカ図書館使節クラップ、ブラウン両氏と、両院図書館運営委員会メンバーの合同打合会の議事録を見るとき、その思いを深くするのである。これまで、法律は日本では内閣で原案ができて、議員はこれに協賛していたのであるが、今度は議会が自分の力で法律を国会図書館の立法調査部の力を借りて、法律案を打立ててゆくという大きなギアの切替えが、一つの夢(これはあたりまえの事ではあるが)として、ブラウン氏から説かれている。
更に日本全国の図書館にある本の全体の見透しをカードでもってわかるようにする綜合目録の作成、これはすでにアメリカの国会図書館がしていることであるが、これを日本で遂行しようというのである。これはまさしく大いなる夢である。今わが館は二十五年計画でこのプランの第一コースに入っている。そのためにはすぐに役に立たない、目に見えないコツコツと働く仕事が、どんなに積み重ねられなければならないか想像がつかないのである。さらにこれはアメリカにも未だないのであるが、各省に国立国会図書館の支部図書館をつくって
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