き」(機能)としての流れである。本は省内の何処の室にあってもよい。カタローグがしっかりしており、流れ作業の組織さえ厳密に、そして巧に出来てさえいれば立派に新しい意味の図書館が、そこにその姿を現わしているのである。もはや、固定した場所を図書館というのではなくて、省の全機構を流れている研究及び調査の流れ作業全体が一つの図書館という機構となっているのである。
そして、国会図書館の国際業務部は、恰も乳房の如き役目を果たして、アメリカの農業技術の戦争中の進歩の姿、また刻一刻を争う現実の革新の姿が、農林省のあらゆる機構に向って、血管の中に流れ入る如くみなぎり、ゆきわたり、満ち溢れていったのである。
技術者の人々のその熱意、清新なる空気への爽やかな喜びは、吾々の胸にも伝わって来た。この変革はただ一つには止まらなかった。労働省が、人事院が、その後を追うていった。法務省は福島正夫氏のなみなみならぬ熱意のもとに、その姿を大きく整えていった。
出発の時に恰も、競馬場の馬の如く、馬の鼻を揃えて出発したが、十カ月の実験の結果は漸く、一馬身一馬身とその隔りを示して行くのがどうすることもできないのであった。問
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