才的[#「天才的」に傍点]であったものが今は性格的[#「性格的」に傍点]、組織的[#「組織的」に傍点]となって来る。
芸術に於ける委員会性、といった様な一寸滑稽に見え、実は深く真面目に考えなくてはならない奇妙な現象が生れる。
それが企業的組織である限り、それは多くの部署にその機能が分れる。例えば企画部の如きは大体の紙面の体裁を大衆の要求を目標として、予め設計して割当てる。或場合はその書かるべき内容すらをも大体設計図の中に入れておく。ここで芸術の注文性[#「注文性」に傍点]が生れる。大体の文士はブローカー連の中に於てすら、何月に何を書くかをすでに企業的に決定されている。注文[#「注文」に傍点]に応じて作品が調《そろ》えられるのである。これが極端にまで行くと更に芸術の御座敷性[#「御座敷性」に傍点]にまで落ちて行く。新聞小説の筋がヒョイト満蒙事件を論じはじめだすに至っては、寧ろ座を白けさすに十分である。更にそれが売られ調製されるためには云わば一般に通った名前が要求せられる、企業に於けるレッテルがそれである。芸術に於けるレッテル性[#「レッテル性」に傍点]という面白い言葉の組合せを私達は
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