口を開けば輙ち罵る所」に白丸傍点]、其辯論に一種の活氣ありて人を煽動するに適する所[#「其辯論に一種の活氣ありて人を煽動するに適する所」に白丸傍点]、宛然として是れ日本のオーコンネルなり[#「宛然として是れ日本のオーコンネルなり」に白丸傍点]※[#白ゴマ、1−3−29]但だオーコンネルの政敵と爭鬪するや[#「但だオーコンネルの政敵と爭鬪するや」に白丸傍点]、確然たる信條と[#「確然たる信條と」に白丸傍点]、爛※[#「火+曼」、第4水準2−80−1]たる熱誠とを以てするに反して[#「爛※[#「火+曼」、第4水準2−80−1]たる熱誠とを以てするに反して」に白丸傍点]、彼れは純然たる無宗教的冷頭を有するを異なりとするのみ[#「彼れは純然たる無宗教的冷頭を有するを異なりとするのみ」に白丸傍点]※[#白ゴマ、1−3−29]是れ彼れが自由黨に於ける信用の、オーコンネルが愛蘭黨に於ける當年の信用に及ばざる所以なり。
剛愎不遜は[#「剛愎不遜は」に白丸傍点]、彼れが有する特質の第二なり[#「彼れが有する特質の第二なり」に白丸傍点]※[#白ゴマ、1−3−29]彼れの剛愎は衆議院議長として第五議會に彈劾せられたるの時を以て絶頂とす※[#白ゴマ、1−3−29]第五議會は、彼が取引所問題に關係したるを沒公徳の行爲と認めて、之を彈劾し、以て彼れに處決を促がすの決議を爲せり※[#白ゴマ、1−3−29]此決議に對しては、自由黨員も亦贊成を表したるもの多かりき※[#白ゴマ、1−3−29]然るに彼れは此決議を眇視して不當の決議を議長に於て何か有らむと放言して省みざりき[#「然るに彼れは此決議を眇視して不當の決議を議長に於て何か有らむと放言して省みざりき」に傍点]※[#白ゴマ、1−3−29]故に議會は更に一日の休會を決議して、彼れの處決を強迫したり※[#白ゴマ、1−3−29]されど總べて無効なりき[#「されど總べて無効なりき」に傍点]※[#白ゴマ、1−3−29]彼れは開會と共に平然として議長席に就き[#「彼れは開會と共に平然として議長席に就き」に傍点]、以て議事の進行を命令したればなり[#「以て議事の進行を命令したればなり」に傍点]※[#白ゴマ、1−3−29]議會は終に彼を懲罰に附して、代議士籍より除名したりと雖も、此懲罰すら彼に於ては何の痛痒をも感ぜざりしに似たり[#「此懲罰すら彼に於ては何の痛痒をも感ぜざりしに似たり」に傍点]※[#白ゴマ、1−3−29]彼は尚ほ選擧區に歸りて再選を要求したればなり[#「彼は尚ほ選擧區に歸りて再選を要求したればなり」に傍点]。
凡そ世間に剛愎の士多しと雖も[#「凡そ世間に剛愎の士多しと雖も」に白丸傍点]、其剛愎彼れが如きに至ては[#「其剛愎彼れが如きに至ては」に白丸傍点]、古今亦罕に觀るの異彩たらずむばあらじ[#「古今亦罕に觀るの異彩たらずむばあらじ」に白丸傍点]※[#白ゴマ、1−3−29]余は必ずしも彼れの剛愎を辯護せむとするものに非ず※[#白ゴマ、1−3−29]剛愎は如何なる場合に於ても、惡徳たるを免かれざればなり※[#白ゴマ、1−3−29]されど黨人より之れを觀れば[#「されど黨人より之れを觀れば」に白丸傍点]、剛愎も亦必要の武器なるやも知る可からず[#「剛愎も亦必要の武器なるやも知る可からず」に白丸傍点]※[#白ゴマ、1−3−29]何となれば黨人最後の目的は[#「何となれば黨人最後の目的は」に白丸傍点]、唯だ政敵と戰つて之れに勝つの一事なるを見ればなり[#「唯だ政敵と戰つて之れに勝つの一事なるを見ればなり」に白丸傍点]。
彼は主我的人物なり
若し彼をして單に放膽不諱、剛愎不遜の木強漢ならしめば、彼は僅に鷄鳴狗盜の雄たるに過ぎず※[#白ゴマ、1−3−29]何ぞ甚だ多とするに足らむや※[#白ゴマ、1−3−29]されど彼れに最も及ぶ可からざるは、其戸外の木強漢たると共に[#「其戸外の木強漢たると共に」に二重丸傍点]、室内の讀書家たる是れなり[#「室内の讀書家たる是れなり」に二重丸傍点]※[#白ゴマ、1−3−29]此れを聞く、彼は別に他の嗜好なく、唯だ讀書を愛して、博覽人に超え、故陸奧伯の如き亦學問に於て彼れに師事する所多かりしと※[#白ゴマ、1−3−29]余は彼が果して讀書の才あるや否やを知る能はずと雖も、其讀書の嗜好ありて多讀を貪るの人たるは、彼を知るものゝ皆許す所なり※[#白ゴマ、1−3−29]彼れが自由黨に在りて、巍然一頭地を出だす所以のものは、蓋し自由黨中復た一人の彼に優れる學者なきが爲ならずとせむや※[#白ゴマ、1−3−29]而も彼は多く理窟を語らずして[#「而も彼は多く理窟を語らずして」に白丸傍点]、反つて人の理窟を喋々するを笑ふ[#「反つて人の理窟を喋々するを笑ふ」に白丸傍点]※[#白ゴマ
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