總《すべ》て町《まち》や、郡《ぐん》の官吏共《くわんりども》でも皆《みな》詰《つま》り無用《むよう》の長物《ちやうぶつ》だ。唯《た》だ給料《きふれう》を貪《むさぼ》つてゐるに過《す》ぎん……而《さう》して見《み》れば不正直《ふしやうぢき》の罪《つみ》は、敢《あへ》て自分計《じぶんばか》りぢや無《な》い、時勢《じせい》に有《あ》るのだ、もう二百|年《ねん》も晩《おそ》く自分《じぶん》が生《うま》れたなら、全然《まるで》別《べつ》の人間《にんげん》で有《あ》つたかも知《し》れぬ。』
三|時《じ》が鳴《な》る、彼《かれ》はランプを消《け》して寐室《ねべや》に行《い》つた。が、奈何《どう》しても睡眠《ねむり》に就《つ》くことは出來《でき》ぬのであつた。
(八)
二|年《ねん》此方《このかた》、地方自治體《ちはうじちたい》はやう/\饒《ゆたか》になつたので、其管下《そのくわんか》に病院《びやうゐん》の設立《たて》られるまで、年々《ねん/\》三百|圓《ゑん》づつを此《こ》の町立病院《ちやうりつびやうゐん》に補助金《ほじよきん》として出《だ》す事《こと》となり、病院《びやうゐん
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