六號室
アントン・チエホフ Anton Chekhov
瀬沼夏葉訳

−−
【テキスト中に現れる記号について】

《》:ルビ
(例)町立病院《ちやうりつびやうゐん》

|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)一|棟《むね》

[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
   (数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)※[#「目+旬」、第3水準1−88−80]

/\:二倍の踊り字(「く」を縦に長くしたような形の繰り返し記号)
(例)のび/\と
*濁点付きの二倍の踊り字は「/″\」
−−

       (一)

 町立病院《ちやうりつびやうゐん》の庭《には》の内《うち》、牛蒡《ごばう》、蕁草《いらぐさ》、野麻《のあさ》などの簇《むらが》り茂《しげ》つてる邊《あたり》に、小《さゝ》やかなる別室《べつしつ》の一|棟《むね》がある。屋根《やね》のブリキ板《いた》は錆《さ》びて、烟突《えんとつ》は半《なかば》破《こは》れ、玄關《げんくわん》の階段《かいだん》は紛堊《しつくひ》が剥《は》がれて、朽《く》ちて、雜草《ざつさう》さへのび/\と。
次へ
全197ページ中1ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
チェーホフ アントン の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング