んないしや》もなく騎馬《きば》で行《ゆ》く。話《はなし》に聞《き》くと、何《なん》でも韃靼人《だつたんじん》の村《むら》に、其夫人《そのふじん》と、土地《とち》の某公爵《ぼうこうしやく》との間《あひだ》に小説《せうせつ》があつたとの事《こと》だ、とかと。
『へゝえ。』
とダリユシカは感心《かんしん》して聞《き》いてゐる。
『而《さう》して可《よ》く呑《の》み、可《よ》く食《く》つたものだ。又《また》非常《ひじやう》な自由主義《じいうしゆぎ》の人間《にんげん》なども有《あ》つたツけ。』
アンドレイ、エヒミチは聞《き》いてはゐたが、耳《みゝ》にも留《とま》らぬ風《ふう》で、何《なに》かを考《かんが》へながら、ビールをチビリ/\と呑《の》んでゐる。
『私《わたし》は奈何《どう》かすると知識《ちしき》のある秀才《しうさい》と話《はなし》を爲《し》てゐることを夢《ゆめ》に見《み》ることがあります。』
と、院長《ゐんちやう》は突然《だしぬけ》にミハイル、アウエリヤヌヰチの言《ことば》を遮《さへぎ》つて言《い》ふた。
『私《わたし》の父《ちゝ》は私《わたし》に立派《りつぱ》な教育《けういく》を與《
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