ゆき》が眞白《まつしろ》に積《つも》つてゐた。アンドレイ、エヒミチは歸《かへ》つて見《み》れば自分《じぶん》の位置《ゐち》は今《いま》はドクトル、ハヾトフの手《て》に渡《わた》つて、病院《びやうゐん》の官宅《くわんたく》を早《はや》く明渡《あけわた》すのをハヾトフは待《ま》つてゐるといふとの事《こと》、又《また》其《そ》の下女《げぢよ》と名《な》づけてゐた醜婦《しうふ》は、此《こ》の間《あひだ》から、別室《べつしつ》の内《うち》の或《あ》る處《ところ》に移轉《いてん》した。町《まち》には、病院《びやうゐん》の新院長《しんゐんちやう》に就《つ》いての種々《いろ/\》な噂《うはさ》が立《た》てられてゐた。下女《げぢよ》と云《い》ふ醜婦《しうふ》が會計《くわいけい》と喧嘩《けんくわ》をしたとか、會計《くわいけい》は其女《そのをんな》の前《まへ》に膝《ひざ》を折《を》つて謝罪《しやざい》したとか、と。
 アンドレイ、エヒミチは歸來《かへり》早々《さう/\》先《ま》づ其住居《そのすまひ》を尋《たづ》ねねばならぬ。
『不遠慮《ぶゑんりよ》な御質問《おたづね》ですがなあ君《きみ》。』と郵便局長《いう
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