》を考《かんが》へやうと思《おも》ふたが、如何《どう》したものか猶且《やはり》、ミハイル、アウエリヤヌヰチが頭《あたま》から離《はな》れぬので有《あ》つた。
 其《そ》の後《のち》は彼《かれ》は少《すこ》しも外出《ぐわいしゆつ》せず、宿《やど》に計《ばか》り引込《ひつこ》んでゐた。
 友《とも》は態々《わざ/\》休暇《きうか》を取《と》つて、恁《か》く自分《じぶん》と共《とも》に出發《しゆつぱつ》したのでは無《な》いか。深《ふか》き友情《いうじやう》によつてゞは無《な》いか、親切《しんせつ》なのでは無《な》いか。然《しか》し實《じつ》に是程《これほど》有難迷惑《ありがためいわく》の事《こと》が又《また》と有《あ》らうか。降參《かうさん》だ、眞平《まつぴら》だ。とは云《い》へ、彼《かれ》に惡意《あくい》が有《あ》るのでは無《な》い。と、ドクトルは更《さら》に又《また》沁々《しみ/″\》と思《おも》ふたので有《あ》つた。
 ペテルブルグに行《い》つてからもドクトルは猶且《やはり》同樣《どうやう》、宿《やど》にのみ引籠《ひきこも》つて外《そと》へは出《で》ず、一|日《にち》長椅子《ながいす》
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