う》さへ烈《はげ》しくなつて來《く》る。と云《い》つて、出《で》て行《い》つて呉《く》れ、默《だま》つてゐて呉《く》れとは彼《かれ》には言《い》はれぬので、凝《じつ》と辛抱《しんばう》してゐる辛《つら》さは一|倍《ばい》である。所《ところ》が仕合《しあはせ》にもミハイル、アウエリヤヌヰチの方《はう》が、此度《こんど》は宿《やど》に引込《ひつこ》んでゐるのが、とうとう退屈《たいくつ》になつて來《き》て、中食後《ちゆうじきご》には散歩《さんぽ》にと出掛《でか》けて行《い》つた。
アンドレイ、エヒミチはやつと[#「やつと」に傍点]一人《ひとり》になつて、長椅子《ながいす》の上《うへ》にのろ[#「のろ」に傍点]/\と落着《おちつ》いて横《よこ》になる。室内《しつない》に自分《じぶん》唯一人《たゞひとり》、と意識《いしき》するのは如何《いか》に愉快《ゆくわい》で有《あ》つたらう。眞實《しんじつ》の幸福《かうふく》は實《じつ》に一人《ひとり》でなければ得《う》べからざるもので有《あ》ると、つく/″\思《おも》ふた。而《さう》して彼《かれ》は此頃《このごろ》見《み》たり、聞《き》いたりした事《こと
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