ここから割り注]巨大な鐘、モスクワの二大名物[#ここで割り注終わり])とを見物《けんぶつ》し、指《ゆび》で觸《さは》つて見《み》たりした。其《そ》れよりモスクワ川向《かはむかふ》の町《まち》の景色《けしき》などを見渡《みわた》しながら、救世主《きうせいしゆ》の聖堂《せいだう》や、ルミヤンツセフの美術館《びじゆつくわん》なんどを廻《まは》つて見《み》た。
中食《ちゆうじき》はテストフ亭《てい》と云《い》ふ料理店《れうりや》に入《はひ》つたが、此《こゝ》でもミハイル、アウエリヤヌヰチは、頬鬚《ほゝひげ》を撫《な》でながら、暫《やゝ》少時《しばらく》、品書《しながき》を拈轉《ひねく》つて、料理店《れうりや》を我《わ》が家《や》のやうに擧動《ふるま》ふ愛食家風《あいしよくかふう》の調子《てうし》で。
『今日《けふ》は甚麼御馳走《どんなごちそう》で我々《われ/\》を食《く》はして呉《く》れるか。』と、無暗《むやみ》と幅《はゞ》を利《き》かせたがる。
(十四)
ドクトルは見物《けんぶつ》もし、歩《ある》いても見《み》、食《く》つても飮《の》んでも見《み》たのであるが、たゞもう
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