》の第《だい》一|着《ちやく》に、ミハイル、アウエリヤヌヰチは其友《そのとも》を先《ま》づイウエルスカヤ小聖堂《せうせいだう》に伴《つ》れ行《ゆ》き、其處《そこ》で彼《かれ》は熱心《ねつしん》に伏拜《ふくはい》して涙《なみだ》を流《なが》して祈祷《きたう》する、而《さう》して立上《たちあが》り、深《ふか》く溜息《ためいき》して云《い》ふには。
『縱令《たとひ》信《しん》じなくても、祈祷《きたう》をすると、何《なん》とも云《い》はれん位《くらゐ》、心《こゝろ》が安《やす》まる、君《きみ》、接吻《せつぷん》爲給《したま》へ。』
 アンドレイ、エヒミチは體裁惡《きまりわる》く思《おも》ひながら、聖像《せいざう》に接吻《せつぷん》した。ミハイル、アウエリヤヌヰチは唇《くちびる》を突出《つきだ》して、頭《あたま》を振《ふ》りながら、又《また》も小聲《こゞゑ》で祈祷《きたう》して涙《なみだ》を流《なが》してゐる。其《そ》れから二人《ふたり》は其處《そこ》を出《で》て、クレムリに行《ゆ》き、大砲王《たいはうわう》([#ここから割り注]巨大な砲[#ここで割り注終わり])と大鐘王《たいしようわう》([#
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