らひ》する。ドクトルは其《そ》れが爲《ため》に考《かんがへ》に耽《ふけ》ることもならず、思《おもひ》に沈《しづ》む事《こと》も出來《でき》ぬ。
汽車《きしや》は經濟《けいざい》の爲《ため》に三|等《とう》で、喫烟《きつえん》を爲《せ》ぬ客車《かくしや》で行《い》つた。車室《しやしつ》の中《うち》はさのみ不潔《ふけつ》の人間計《にんげんばか》りではなかつたが、ミハイル、アウエリヤヌヰチは直《すぐ》に人々《ひと/″\》と懇意《こんい》になつて誰《たれ》にでも話《はなし》を仕掛《しか》け、腰掛《こしかけ》から腰掛《こしかけ》へ廻《まは》り歩《ある》いて、大聲《おほごゑ》で、這麼不都合《こんなふつがふ》極《きはま》る汽車《きしや》は無《な》いとか、皆《みな》盜人《ぬすびと》のやうな奴等計《やつらばか》りだとか、乘馬《じようば》で行《ゆ》けば一|日《にち》に百ヴエルスタも飛《と》ばせて、其上《そのうへ》愉快《ゆくわい》に感《かん》じられるとか、我々《われ/\》の地方《ちはう》の不作《ふさく》なのはピン沼《ぬま》などを枯《から》して了《しま》つたからだ、非常《ひじやう》な亂暴《らんばう》をしたも
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