愛《けいあい》して居《を》るです。何卒《どうぞ》君《きみ》、私《わたし》の云《い》ふことを聞《き》いて下《くだ》さい。醫學《いがく》の原則《げんそく》は、醫者等《いしやら》をして貴方《あなた》に實《じつ》を云《い》はしめたのです。然《しか》しながら私《わたし》は軍人風《ぐんじんふう》に眞向《まつかう》に切出《きりだ》します。貴方《あなた》に打明《うちあ》けて云《い》ひます、即《すなは》ち貴方《あなた》は病氣《びやうき》なのです。是《これ》はもう周圍《まはり》の者《もの》の疾《と》うより認《みと》めてゐる所《ところ》で、只今《たゞいま》もドクトル、エウゲニイ、フエオドロヰチが云《い》ふのには、貴方《あなた》の健康《けんかう》の爲《ため》には、須《すべから》く氣晴《きばらし》をして、保養《ほやう》を專《せん》一と爲《せ》んければならんと。是《これ》は實際《じつさい》です。所《ところ》が、丁度《ちやうど》私《わたし》も此《こ》の節《せつ》、暇《ひま》を貰《もら》つて、異《かは》つた空氣《くうき》を吸《す》ひに出掛《でか》けやうと思《おも》つてゐる矢先《やさき》、如何《どう》でせう、一|所《し
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