《ねが》ふと云《い》ふ招状《せうじやう》が有《あ》つた、で、定刻《ていこく》に市役所《しやくしよ》に行《い》つて見《み》ると、もう地方軍令部長《ちはうぐんれいぶちやう》を初《はじ》め、郡立學校視學官《ぐんりつがくかうしがくゝわん》市役所員《しやくしよゐん》、それにドクトル、ハヾトフ、又《また》も一人《ひとり》の見知《みし》らぬブロンヂンの男《をとこ》、ずらり[#「ずらり」に傍点]と並《なら》んで控《ひか》へてゐる。傍《そば》にゐた者《もの》は直《す》ぐに院長《ゐんちやう》に此《こ》の人間《にんげん》を紹介《せうかい》した、猶且《やはり》ドクトルで、何《なん》だとかと云《い》ふポーランドの云《い》ひ惡《にく》い名《な》、此《こ》の町《まち》から三十ヴエルスタ計《ばか》り隔《へだゝ》つてゐる、或《あ》る育馬所《いくばしよ》に居《ゐ》る者《もの》、今日《けふ》此《こ》の町《まち》を何《なに》かの用《よう》で些《ちよつ》と通掛《とほりかゝ》つたので、此《こ》の場所《ばしよ》へ立寄《たちよ》つたとのことで。
『えゝ只今《たゞいま》、足下《そくか》に御關係《ごくわんけい》の有《あ》る事柄《ことがら
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