《あい》してゐた所《ところ》のマアシアは、此《こ》の節《せつ》は彼《かれ》が微笑《びせう》して頭《あたま》でも撫《な》でやうとすると、急《いそ》いで遁出《にげだ》す。郵便局長《いうびんきよくちやう》のミハイル、アウエリヤヌヰチは、彼《かれ》の所《ところ》に來《き》て、彼《かれ》の話《はなし》を聞《き》いてはゐるが、先《さき》のやうに其《そ》れは眞實《まつたく》ですとはもう云《い》はぬ。何《なん》となく心配《しんぱい》さうな顏《かほ》で、左樣々々《さやう/\》、々々《/\》、と、打濕《うちしめ》つて云《い》つてるかと思《おも》ふと、やれヴオツカを止《よ》せの、麥酒《ビール》を止《や》めろのと勸《すゝめ》初《はじ》める。又《また》醫員《いゐん》のハヾトフも時々《とき/″\》來《き》ては、何故《なにゆゑ》かアルコール分子《ぶんし》の入《はひ》つてゐる飮物《のみもの》を止《よ》せ。ブローミウム加里《かり》を服《の》めと勸《すゝ》めて行《ゆ》くので。
八|月《ぐわつ》にアンドレイ、エヒミチは市役所《しやくしよ》から、少《すこ》し相談《さうだん》が有《あ》るに由《よ》つて、出頭《しゆつとう》を願
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