》ふて、ゲフシマニヤの園《その》で祈祷《きたう》しました。』
イワン、デミトリチは恁《か》く云《い》つて笑出《わらひだ》しながら坐《すわ》る。
『で假《か》りに人間《にんげん》の滿足《まんぞく》と安心《あんしん》とが、其身外《そのしんぐわい》に在《あ》るに非《あ》らずして、自身《じしん》の内《うち》に在《あ》るとして、又《また》假《か》りに苦痛《くつう》を輕蔑《けいべつ》して、何事《なにごと》にも驚《おどろ》かぬように爲《し》なければならぬとして、見《み》て、第《だい》一|貴方《あなた》自身《じしん》は何《なん》に基《もとづ》いて、這麼《こんな》ことを主張《しゆちやう》なさるのか、貴方《あなた》は一|體《たい》哲人《ワイゼ》ですか、哲學者《てつがくしや》ですか?』
『いや私《わたくし》は哲學者《てつがくしや》でも何《なん》でも無《な》い。が、之《これ》を主張《しゆちやう》するのは、大《おほい》に各人《かくじん》の義務《ぎむ》だらうと思《おも》ふのです、是《これ》は道理《だうり》の有《あ》る事《こと》で。』
『いや私《わたくし》の知《し》らうと思《おも》ふのは、何《なん》の爲《ため》に
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