じめ》から、今日《こんにち》に至《いた》るまで、益※[#二の字点、1−2−22]《ます/\》進歩《しんぽ》して行《ゆ》くものは生存競爭《せいぞんきやうさう》、疼痛《とうつう》の感覺《かんかく》、刺戟《しげき》に對《たい》する反應《はんおう》の力《ちから》などでせう。』と、イワン、デミトリチは俄《にはか》に思想《しさう》の聯絡《れんらく》を失《うしな》つて、殘念《ざんねん》さうに額《ひたひ》を擦《こす》つた。
『何《なに》か肝心《かんじん》なことを云《い》はうと思《おも》つて出《で》なくなつた。』
と、彼《かれ》は續《つゞ》ける。『其《そ》れぢや基督《ハリストス》でも例《れい》に引《ひ》きませう、基督《ハリストス》は泣《な》いたり、微笑《びせう》したり、悲《かなし》んだり、怒《おこ》つたり、憂《うれひ》に沈《しづ》んだりして、現實《げんじつ》に對《たい》して反應《はんおう》してゐたのです。彼《かれ》は微笑《びせう》を以《もつ》て苦《くるしみ》に對《むか》はなかつた、死《し》を輕蔑《けいべつ》しませんでした、却《かへ》つて「此《こ》の杯《さかづき》を我《われ》より去《さ》らしめよ」と云《い
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