とを悔いる反省の鞭のひゞきであり、更にまた、一層強靭な「夢」を養ふ鍛錬の汗の一と時だとすれば、かゝる憂欝は暗色にして必ずしも暗色ならずと云ひ得ませう。
たゞこゝに、救ふべからざる如く見えるひとつの憂欝の原因があります。
それは、青年の胸中に知らず識らず巣喰ふ幻滅の虫です。言ひ換へれば、現実とはかくまでも理想とかけ離れたものかといふ、絶望に似た空虚感であります。
まことに、現実とは理想から遠いものであつて、さうであればこそ、現実と云ひ、理想と云ふのです。然るに、青年の「夢」は、どうかすると、現実を理想化し、理想を現実化することなのです。常識を以てすれば、そこに大きな矛盾があるわけですが、この矛盾は、しかし、信念と情熱との前では、容易に矛盾などといふ冷酷な姿は示さないのです。それにしても、現実は、徐々に、ありのまゝの相貌を青年たちの前に露出しはじめます。それは、青年たちにとつて、あまりにも「醜い姿」と見えるでありませう。それもその筈です。「かくあるべき人生」について、彼等は、長い間懇々と教へられ、しみじみとかゝる「人生」への門出を心に祝つた、その翌日だからであります。
極端に云へば
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