たは最初の陣地攻撃の時はどこにゐましたか?」
 隊長の問ひに、私は、
「あのクリークから百五十米ぐらゐのところにゐました。霧でよくはわかりませんでしたが、敵が近いのには驚きました」
「うん、あの、クリークですがね、対岸の陣地をごらんでしたか? いよいよあれを渡らなければ突撃ができない。その時、船が向う岸に一艘つけてあるんです。立石といふ軍曹が、それをみて、上着を脱ぎすてゝ、ざんぶりと水の中へ飛び込みました。すると一人の兵隊も後につゞいた。二人で敵の猛射を浴びながら、悠々とその船をこつちへ引つぱつて来るぢやありませんか。かういふのがゐます」
「いゝですね。しかし、船でみんなが渡つたとすれば、随分危険なわけですね。よく損害がなくてすみましたね」
「さういふもんですよ。この喬野のクリークでも、あの橋を渡る時、○隊長の園田が先頭に立つて突つ込んで行くんです。橋の袂からはバリバリ撃つ。わたしは、その瞬間○隊長を殺しちやならんと思つた。で、うつかり先へ出てしまつたんですが、この時は、やられたかなと思つた。橋を渡つて、あの狭い通りを突きぬける時も、真正面から、弾丸を浴びました。中れば串ざしです。しか
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