つてゐてさへさうです。だから、弾丸が低くなつて来れば、それに応じて姿勢を低くすればいゝ。これは馴れないとわかりません。たゞ、わたしがマントを着てゐたもんだから、馬からおりると弾丸が集つて来た」
「さうですか。僕もマントを着てゐましたが途中で脱ぎました」
「まつたく済まんことをしました。万一のことでもあつたらと心配しましたよ」
「そんなご心配はいりません。が、僕も始めからこんなこともあらうかと覚悟してゐました。ところで、兵隊はなかなかみんな勇敢ですね。頼もしい気がしました。かういふ戦《いくさ》だから、却つて隊長は気をおつかひになるでせう。まるで演習そつくりぢやありませんか」
私は率直に感じたことを云ふと、
「今日はわたしは直接に指揮はとらないつもりでしたが、つい情況がさうさせたのです。こゝでは、教育しながら戦《いくさ》をするといふ立前を厳格に守つてゐます。それでなければ長い戦争には勝てません」
本部の一行のなかに、後ろ手にしばつた捕虜を二人連れてゐる。
「これは兵隊だといふことはたしかなんですか」
私は、その捕虜の綱をもつてゐる兵士に訊ねた。
「はあ、たしかであります。そこのクリー
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