時に、一般小学校、中等学校へも日本人教師を配属せしめ、かつ、主要な都市には日本人経営の義務教育機関、高等専門学校及び大学を速かに設立し、かの欧米人が東洋諸国に於てなした如く、宗教の名により、或はこれに代る「理想主義的」イデオロギイによつて、支那青少年に「親日的」教養を植ゑつけることを企てなければならぬ。
 この事業は、もはや一刻も忽せにできぬ。一日遅れゝば一日悔いをのこす結果となる。もちろん、この事業の困難は、その衝に当る人物の選択が極めて厳正かつ適切でなければならぬといふところにある。いゝ加減な人物が教壇に立つて、「日本、日本」と叫んだのでは逆に後始末が必要になるであらう。
 私は、この緊急な問題が、近い将来に於てわが当局及び新支那の指導者により如何に処理されるかを刮目して待つものであるが、何よりも望ましいことは、わが国の知識層がこの時局の認識の上に立つて自ら奮起し、支那知識層と提携して、相互の文化交流を目的とする一大組織を結成し、民間事業としての機関を通じて教師雇傭の道を拓くべきであると思ふ。
 この私の意見が、多数の人々の耳に空論と響くならば、また何をか云はんやである。

   
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