「(2)」は縦中横]新劇によつて食はうとしないこと、(3)[#「(3)」は縦中横]新劇関係者に根気がなく、また道草を食つてゐたこと、(4)[#「(4)」は縦中横]批評家が不親切で、劇作家が眠つてゐること、言葉は多少違ふが大体以上のやうに結論を引出してゐる点に関して、僕は、多少、云ひ分があるのである。
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(1)[#「(1)」は縦中横]、今日までの「新劇」は商品にならぬから資本家がつかぬ。これをどうすれば商品にし得るかといふ見当がつけば、金を出すかもしれぬが、さういふ見当をつけさせるやうなものさへ、これまでの「新劇」にはないのである。早く云へば、発展性が見られぬ。
(2)[#「(2)」は縦中横]、「新劇」によつて食はうとしたものは、これまでにも随分あつた。ところが、さういふ意志と希望にも拘はらず、それが駄目だつたのである。原因は内村君も云つてゐる通り、現在のやうなやり方をしてゐるからだ。そんなら、どうすればよいか? 企業形態を整へるのもよからう。が、それより前に、新しい芝居の「面白さ」を正しく認識せねばならぬ。
(3)[#「(3)」は縦中横]、新劇
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