梅されていたのでございます。前述の勧進帳も、
※[#歌記号、1−3−28]判官おん手を取り給い
が、判官その手[#「その手」に傍点]を、に改められていたのでございます。
しかし、間違っているにしろ、「美しく唄ってある文句」でございますから、昔から唄いなれたものには、やはり、それだけにいいところがあるのでも御座いましょうか、かように改められましても、改作された文句をお稽古される師匠がたは、ほんの一部の方のみでございました。私たちの師匠にしましても、前の菖蒲浴衣でございますと、
※[#歌記号、1−3−28]……汗に濡れたる枕がみ……とどかぬ愚痴も惚れた同士命と腕に堀きりの
と古い文句をお稽古されていましたし、勧進帳の場合でございましても、
※[#歌記号、1−3−28]判官おん手[#「おん手」に傍点]を取り給い
と、唄っていられたのでございます。ところが、光子さんはあの日、お稽古の最中に、ここのところが、どうも、工合が悪く、二度も三度も唄いなおしていられたのでございます。そして、四度目に、やっと、お師匠のお許しが出て、次に進まれたのでございますが、最後には、
※[#歌記号、1
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