けて洗ってみても、せっけんとみがき砂をつけて、といしで、ごしごし、こすってみても、いっこうにしるしがみえません。血のついたあとは、いよいよ、こくなるばかりでした。それもそのはず、このかぎは魔法《まほう》のかぎだったのです。ですから、おもてがわのほうの血を落したかとおもうと、それはうらがわに、いつか、よけいこく、にじみ出していました。

         三

 すると、その日の夕方、青ひげが、ひょっこり、うちへかえって来ました。それは、まだむこうまで行かないうち、とちゅうで、用むきが、つごうよく片づいた、という知らせを聞いたからだと、青ひげは話しました。だしぬけにかえってこられたとき、奥がたは、ぎょっとしましたが、いっしょうけんめい、うれしそうな顔をして見せていました。
 さて、そのあくる朝、青ひげは、さっそく、奥がたに、あずけたかぎをお出しといいました。そういわれて、奥がたがかぎを出したとき、その手のふるえようといったらありませんでしたから、青ひげは、すぐとかんづいてしまいました。
「おや。」と、青ひげはいいました。「小べやのかぎがひとつないぞ。」
「じゃあ、きっと、あちらのつくえの
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