青ひげがこわくて、たれも寄りつけなかったのでございます。
みんなは、居間《いま》、客間《きゃくま》、大広間から、小べや、衣裳《いしょう》べやと、片っぱしから見てあるきましたが、いよいよ奥ぶかく見て行くほど、だんだんりっぱにも、きれいにもなっていくようでした。
とうとうおしまいに、いっぱい家具《かぐ》のつまった、大きなへやに来ました。そのなかの道具《どうぐ》やおきものは、このやしきのうちでも、一等りっぱなものでした。かべかけでも、ねだいでも、長いすでも、たんすでも、つくえや、いすでも、頭のてっぺんから、足の爪《つま》さきまでうつるすがたみ[#「すがたみ」に傍点]でも、それはむやみにたくさんあって、むやみにぴかぴか光って、きれいなので、たれもかれも、ただもう、かんしんして、ふうと、ため息をつくだけでした。すがたみのなかには、水晶《すいしょう》のふちのついたものもありました。金銀めっきのふちのついたものもありました。なにもかも、この上もなくけっこうずくめなものばかりでした。
お客たちは、まさかこれほどまでともおもわなかった、お友だちの運のよさに、いまさら感心したり、うらやましがったり、
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