持って来て、蘆の山に火をつけようと決心し、ちょうど手を伸そうとしたときに、脚の指を何か刺すのに気がついた。
 彼女が下を見ると、相変らず前に作った小さいものであるが、よりいっそう異様である。何だか布《きれ》のようなものを幾重にも体に纏い、腰には特別に十数本の布をつけ、頭には何だか判らないものを被っており、天辺には真黒な小さい長方形の板を戴き、手には何か提げているが、脚の指を刺すのはこれである。
 長方形の板を載せているのは、女※[#「女+咼」、第3水準1−15−89]の両腿の間に立って上を向いて、彼女を一眼見ると急いでその小さい一片を差し上げた。彼女が続いて見ていると、それは非常に滑らかな青い竹で、その頂に二筋の黒い細い点があり、それは槲《かし》の樹の葉の上にある黒点よりも、遥《はるか》に小さい。彼女はかえって、その技術の精巧なことに感服した。
「これは何だ?」彼女は好奇心に駆れれて、また思わず訊かずにはおられなかった。
 長方形の板を載せているのが、竹片《たけぎれ》を指して、立板に水を流すごとくにいった。「裸※[#「ころもへん+呈」、第3水準1−91−75]《らてい》淫佚《いんしつ》
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