くなってガンガン呶鳴《どな》った。
「この頭とこの世界とはどうもシックリ合わんもうさらばだ。やれ※[#「鼻+(嗅−口)」、第4水準2−94−73]《かぎ》煙草だの、やれ汚《けが》された祈祷だの、やれなんだのだって」
ブラウンは額に八の字を寄せ、いつもに似合わぬ気短《きみじか》になって鋤の柄をバタバタとはたいた。
「とっととやれ」と彼が叫んだ「何もかも火を見るように明白なんだ。嗅煙草も歯車も何《な》にもかもなんだ。今朝眼をさますと同時に解ったんじゃ、そうしてわしは外へ出て来て作男のゴーとも話したんじゃ。どうして、あの男は阿呆で聾《つんぼ》に見せかけているが、なかなか聾や馬鹿どころではない。ところで諸君あの条項書はあのあの通りでキチンと筋が通っている。わしは破れた。
弥撤《みさ》書についてもカン違いをしていたが、あれはあれで穏かなもんじゃ。しかしこの最後の件ですぞ。墓をあばいて人物の頭を盗みおろうというここに確かに穏かならんもんがあると見た。確かにここにばかりは魔法があるようだ。どうもこればかりは嗅煙草や蝋燭というたようなわけのない話とは筋が違うようじゃ」
こういって彼はコツコツ歩き
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