作男・ゴーの名誉
THE HONOUR OF ISRAEL GOW
チェスタートン Chesterton
直木三十五訳
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【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)師父《しふ》
|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)兼|厨夫《ちゅうふ》
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)※[#「鼻+(嗅−口)」、第4水準2−94−73]
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一
嵐吹く銀緑色の夕方、灰色のスコッチ縞の着衣につつまれた師父《しふ》ブラウンは、灰色のスコットランドのある谷間の涯《はて》に来た、そして奇妙なグレンジル城を仰ぎ見た。城はその窪地の一方の端を袋町のように塞いでいた、それがまた世界の涯のように見えた。嶮《けわ》しい屋根や海緑色の石盤瓦茸小塔《せきばんかわらぶきことう》の聳《そび》え具合が仏蘭西《フランス》蘇格蘭《スコットランド》折衷式《せっちゅうしき》の城《シャトー》の様式なので、城は師父ブラウンのような英蘭《イングランド》人にはお伽話《とぎばなし》に出
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