の足にぐるぐるとまかれてあったのじゃ、いいかな、それは気の毒なスメールがほんのちょっと十字架に触った時、それがそこからその支え棒をはずしたのだ、そして蓋が石の棍棒のように彼の頭に落ちたのじゃ」
「ヤレヤレ!」ターラントが言った、「僕はあなたのいわれる事に何物かがあると考え出してますよ。もしそれが事実としたらこりあ奇妙な話しですね」
「わしはそれが解った時に」と師父ブラウンが続けた。「わしは多少他の事も推察する事が出来ましたのじゃ。まず最初に、調査以上に何事に対しても信用すべき考古学上の権威がなかったという事と、記憶なされ、気の毒な老ウォルター氏は正直な好古家であったのじゃ、彼はミイラにされた死骸についての伝説に何か真実があったかどうかを見出そうと墳墓を開ける事に従事しておられたのじゃ、その他の事は皆、かかる発見をしばしば予想しまたは誇張して言う、風説でありますのじゃ。事実、彼はミイラにされていたのでなく、長い間埃の中に埋まっていたのだという事を発見されたのじゃ。彼が埋まった会堂の中でさびしい蝋燭の光りをたよりにそこで仕事をしていた時に、蝋燭の光りは彼自身のではない他の影を投げた」
「あ
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