金の十字架の呪い
チェスタートン
直木三十五訳

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【テキスト中に現れる記号について】

《》:ルビ
(例)卓子《テーブル》

[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(例)しつこく[#「しつこく」に傍点]
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 六人の人間が小さい卓子《テーブル》を囲んで座っていた。彼等は少しも釣合いがとれずちょうど同じ、小さい無人島に離れ離れに破船したかのように見えた。とにかく海は彼等をとりかこんでいた。なぜならある意味において彼等の島はラピュタのような大きいそして飜《ひるがえ》る他の島にとりかこまれていたから。なぜならその小さい卓子《テーブル》は大西洋の無限な空虚を走ってる、巨船モラヴィアの食堂に散らばってる多くの小さい卓子《テーブル》の一つであった。その小さい仲間は皆アメリカから英国への旅行者に他ならなかった。彼等の二人はとにかく名士と呼ばれるかもしれない、が他の人々は名の知れないものであった。そして一二の点において信頼し難くさえあった。
 その最初は前ビザンテン帝国に関しての考古学上の研究の権威である、スマイル教授であった。アメリカの大学において講ぜられた、彼の講演は欧洲
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