すったんじゃないのでござりまするか」
「いかほどきいても口をあけずに、知りたくばこちらへ来いといわぬばかりでどんどん連れてきたから、何かいわくがあるだろうと乗り込んだまでなんだ。どんな入れ知恵つけたかしらねえが、人より少しよけい慈悲も情けも持ち合わせているおれのつもりだ。隠さずにいってみな」
「いや、そういうことなら、むだな隠しだていたしましても、三文の得になることではござりませぬゆえ、申す段ではござりませぬ。まことに面目《めんぼく》のないしだいでござりまするが、この子たちの嘆きをまのあたり見聞きいたしまして、いかにもふびんでなりませなんだゆえ、老いぼれの身にくふうもつかず、子を捨てろと教えたのでござります。と申しただけではおわかりでござりますまいが、まことにこの子たちほどかわいそうな者はござりませぬ。住まいはつい向こう横町の裏店《うらだな》でござりまするが、働き盛りの父御《ててご》がこの春ぽっくりと他界いたしましてからというもの、見る目もきのどくなほどのご逼塞《ひっそく》でござりましてな、器量よしのまだ若い母御が残ってはおりますというものの、女手ひとりではどんなに器量ばかりよろしゅう
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