、どこに自分の本心があるのか、わけがわからなくなってしまったが、わけがわからないのが現在の自分の姿であるとすれば、それもしかたのないことだ。ぼくは、あるいは疲《つか》れすぎているのかもしれない。今日は、日記を書くのはもうやめよう。」
[#ここで字下げ終わり]
[#地から2字上げ](第五部おわり)
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   「次郎物語 第五部」あとがき

 この物語の第四部を書き終えたのは、昭和二十四年の三月十八日であった。それからもうやがてまる五年になろうとしている。月日のたつのは早いものである。それにしても、第五部を書くために五年の歳月《さいげつ》はあまりに永過ぎるのではないかと怪《あや》しむ人も多いだろう。事実、多数の読者からは、ずいぶん怠慢《たいまん》だというお叱《しか》りもうけた。第四部の「あとがき」の手前、著者としては、ただ頭を下げるより仕方がない。しかし、言いわけをしようと思えば、その種がまるでないわけでもないのである。
 実をいうと、第五部に筆をとりはじめたのは、第四部を書き終って間もない五月半ばであった。そして七月からは、その当時の私の個人雑誌「新風士」にそれを発表しはじ
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