結ばれており、今の母がぼくの家に来るようになったのは、正木の祖父がぼくの将来を気づかって父にそれをすすめたからのことであった。そして、ぼくがその当時将来を気づかわれるような子供であったのは、やはり里子ということにその遠因があったのだ。
里子! 何という大きな力だろう。それは現在のぼくのいっさいを決定しているのだ。ぼくの生活理想も、恋愛《れんあい》も。……そしておそらくそれは将来にもながく尾《お》を引くことであろう。いや、あるいはぼくの一生がすでにそれによって決定されてしまっているのかもしれないのだ。
こう考えて来ると、人間の自由というものは一たい何だろう、とぼくは疑わずにはいられない。それは、円の中心から、自分の欲するままに、円周のどこへでも進んでいけるというようなことでは、絶対にない。おそらく、円の中心から円周に向かって、ほとんど重なりあうように接近して引かれた二つの線の間のスペースを、わずかな末広がりを楽しみに進んでいけるというにすぎないのではあるまいか。もしそうだとすると、それは自由というよりも、むしろ運命とよんだほうが適当だとさえ、ぼくには思えるのだ。
だが、ぼくはまた考
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