る。」
次郎は、きっと口をむすび、涙のたまった眼で、にらむようにしばらく朝倉先生の顔を見つめていたが、
「ぼく、しかたがあると思うんです。」
「どうするんだね。」
「この中には――」
と、次郎は履歴書の束をひきよせて、
「これまでの修了生や現在の塾生たちにすすめられて志願したものがすいぶんあるんです。そういう志願者たちは、今から手をうてば、どうにかなると思うんです。」
「手をうつというと?」
「勧誘《かんゆう》の手紙を出すんです。先生からも、塾生みんなからも。」
「どんな手紙を出すんだい。」
「真相をぶちまけて正義感に訴え、同志的な呼びかけをやるんです。」
「それで動くと思うかね。」
「動くように書くんです。旅行までには、まだあと二日あるんですから、みんなで文案をねるんです。」
朝倉先生はさびしく笑った。が、すぐ深刻な眼をして、
「かりに名文ができて、それに青年たちが動かされたとしたら、あとはどうなるんだい。」
「それで問題はないじゃありませんか。塾生が集まって来さえすれば、あとはどんな圧迫《あっぱく》があっても、これまでどおりにやっていけばいいんです。」
「それで友愛塾はつぶれ
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