部養成のための施設《しせつ》の選択《せんたく》には、それとなく強い制限が加えられることになり、その結果、残念ながら、友愛塾の志願者もいちじるしく減少するのではないかと予想されます。このことについては、省内にも内々反対の意見を持つものがないではありませんが、それを口に出すことさえできないのが現在の実状です。……」
内容はそれだけでほとんどつきており、あとはいろいろの感情を盛《も》った言葉の羅列《られつ》にすぎなかった。
次郎は読みおわると、がくりと首をたれた。かれの膝の上には、もう涙《なみだ》がぼろぼろとこぼれていた。
朝倉先生は眼《め》をそらして窓のそとを眺《なが》めていたが、
「時勢だよ。」
と、ぽつりと言って、眼をとじた。
しばらくして、次郎が声をふるわせながら、
「先生は、もうあきらめていらっしゃるんですか。」
「あきらめるよりしかたがないだろう。じたばたしても、どうにもならない。」
「田沼先生も、もうご存じなんでしょうか。」
「むろんご存じだ。取り消しの電報のことも電話で申しあげてある。」
「それで何ともおっしゃらないんですか。」
「やはりしかたがないだろうとおっしゃ
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