回以来の修了者《しゅうりょうしゃ》たちと親交を結び、そういう人たちの郷土生活の実際に接したいというのも、重要なねらいの一つだったのである。
その旅行に出るのは、すでに三日の後にせまっていた。しかし、計画は早くから研究部でねられ、これまでの次郎の経験などを参考にして何もかも決定されていたので、塾生たちはただその日の来るのを待つばかりであった。
ところで、次郎には、旅行に出る前に果たしておかなけれはならない一つの重要な仕事が残されていた。それは数日前に出願を締め切った次回の入塾希望者の履歴書《りれきしょ》を整備して朝倉先生に提出し、採否の決定を得た上で、それぞれ本人に通知することであった。出願者の数はこれまでの記録をやぶって、ほとんど定員の二倍になっていた。それだけにその銓衡《せんこう》は困難だった。次郎は昨夜までにすっかりその整備をおわり、自分でも採否のあらましの見当をつけておいたが、今朝は、いよいよ朝倉先生にその最後の決定を求めることになっていたのである。
今日もちょうど小川博士の講義の日だったが、次郎はその講義がはじまるのを待ち、一まとめにした履歴書と推薦書《すいせんしょ》とを
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