采だった。
 そのあと次郎は、もう進行係としてほとんど世話をやく必要がなかった。すべては笑いと感嘆《かんたん》と拍手の中にすぎた。そして、最後に相互《そうご》の代表からなごやかなあいさつを述べて解散することになったが、もしわかれぎわになって興国塾の塾生たちがきちんと玄関前に整列し、号令のもとに挙手注目の礼をおくらなかったとしたら、双方の塾生たちの間に、しつけ[#「しつけ」に傍点]の大きなひらきがあるのを認めることは、困難だったかもしれなかったのである。もっとも、そうであればあるほど、小関氏にとって、この数時間がにがにがしい時間であったことは言うまでもない。
 興国塾の塾生たちの足音が消え、朝倉先生夫妻と次郎とが塾長室にはいると、そのあとを追うようにして五六名の塾生たちがおしかけて来た。その中には大河無門もいた。かれらは口々に言った。
「すいぶん盛《さか》んな連中だったね。何しろぼくたちとは生活がちがいすぎているんだ。こちらの言うことなんか、はじめのうち、てんで聞こうともしないで、自分たちの言いたいことだけをしゃべりまくるんだ。閉口《へいこう》したよ。」
「それでも、食後はいやに愉快《ゆ
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