、変に自分の耳に皮肉にきこえ、はっとしたように、朝倉先生と小関氏のほうを見た。朝倉先生は、眼をつぶっていた。小関氏はきらりと眼を光らせたが、すぐ塾生たちを見まわしながら、
「時間はできるだけ有意義につかうがいい。茶話会は三十分もあればたくさんだろう。興国塾の諸君は、こういう時に思いきりふだんの抱負《ほうふ》を述べ、十分批判してもらうんだな。」
 しかし、どこからも発言するものがなかった。室内はしんとして、ほうぼうにすえてある火鉢《ひばち》の中で、かすかに、炭火のはねる音がきこえていた。
 すると、窓ぎわの卓についた大河無門が、だしぬけに言った。
「興国塾の塾長先生は、ひる間のぼくたちの話をきいていてくだすったようですが、何かそれについてご注意くださることはありませんか。」
 小関氏の眼がまたぴかりと光った。氏は、その眼をいりつくように大河のほうに注ぎながら、
「それは大いにある。しかし今日は私の出る幕ではない。私の考えは帰ってから私のほうの塾生だけに話せばいいのだ。」
 また沈黙がつづいた。次郎はそっと朝倉先生の顔をのぞいたが、先生はやはり眼をつぶっているきりだった。
「では、問題もな
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