す。しかし、万一まちがった結論になった場合、おたがいに、指導者としての責任は、どうなんです。」
「あとで正す機会はいくらでもあるでしょう。私はむしろそのほうが指導が徹底《てってい》するんじゃないかと考えるんですが。」
「それはどういう意味です?」
「このごろの青年たちは、とかく指導者の前では存分にものが言えない。言っても迎合的《げいごうてき》なことを言う。これは指導者があまり急いで結論を押しつけるからじゃないかと思います。私は、青年たちに、自分たちでものを考え、自分たちで意見を戦わして、たといまちがいでもいいから、いちおう自分たちの判断を生み出さしておいて、そのあとで正すべきものを正してやる、というふうにしたい。そうでないと、せっかくの指導がほんとうに身につかないように思いますが。」
「なるほど。つまり自由主義的な指導をなさろうというのですね。」
小関氏の顔には、ふたたび冷たい微笑がうかんだ。
「自由主義というかどうか、私には主義のことはわかりませんが、しんからまじめで、表裏のない、そして感情に走らない国民を養うのには、そうした指導が必要だと信じています。」
「すると、あなたは――」
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