言った。
「どういう順序になっていますかね。私のほうは、もうすべてご予定通りに動くように準備ができていますが。」
「あ、そうですか。これは失礼しました。」
と、朝倉先生は、すぐそばに立っていた次郎をかえり見て、
「じゃあ、予定どおりすすめてくれたまえ。」
そこで次郎は双方《そうほう》の中間に進み出て言った。
「僕《ぼく》は、本田という者です。今日の進行係をつとめさしていただきます。実はいちおう皆《みな》さんを舎内にお迎えした上で予定のプログラムを進めるのが礼儀《れいぎ》だと思いますが、幸いに天気もよいし、それにこれからの進行の都合もありますので、双方の最初のごあいさつの交換《こうかん》だけは、この青天井《あおてんじょう》の下でお願いしたいと思います。では、まず友愛塾生代表の歓迎《かんげい》の辞……」
すると、大河無門がのそのそと進み出て、歓迎の辞をのべた。それはきわめて簡単だった。わざわざ訪ねて来てもらったお礼と、うちくつろいで歓談してもらいたいという希望とをのべたにすぎなかった。それに要した時間も、おそらく一分以上には出なかったであろう。
つぎは先方のあいさつだった。隊の指揮
前へ
次へ
全436ページ中376ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
下村 湖人 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング